アントン・コービン~伝説のロック・フォトグラファーの光と影
U2のボノが「写真の中の自分になりたい」と言っていた。幾多のアーティストに愛されるフォトグラファー、アントン・コービンの内面に迫ったドキュメンタリー作品。
私はあまり写真に詳しくない。でもこのひとの写真は、なんか凄いなぁという馬鹿っぽい感想をもつ。モノクロの作品でも生々しく下品ではない猥褻さがあって、安っぽい表現をさせてもらうとアートでロックな感じ。
本作品ではそんなアントンの撮影風景やインタビューなどが見られる。彼と同じオランダ出身のクラーチェ・クイラインズ監督が4年間密着して撮ったという。
アントンの写真も彼自身もアート作品のようで、その存在の強さに圧倒された。それだけの人間でも日々、孤独と戦って生きているのだなと思った。インタビュー中、被写体と距離があると嘆いていた。その原因は自分だと。なぜそう思うのか他人にはわからない。だって作品はどれも素晴らしいし、被写体になったミューズたちは自分以上に自分を写してくれる彼の技を信頼し尊敬している。
天才は孤独で哀しい。アントン・コービンが自分を正しく見れることは一生ないのだろうなと思った。
私のクソ写真。パンフレットを撮ろうとしたら風が吹いたので足でおさえた。深い意味は無し。