選ばなかった人生に思いを馳せる

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さっき観たもの、『リスボンに誘われて』。ある本を偶然手にした男が、著者に会いにポルトガルを旅をする話。
革命に関わった男女の鮮烈な人生に思いを馳せる主人公は、ナビゲーターでありながら自身の物語を生きる者でもある。ジェレミー・アイアンズが凄くハマっていた。かなり好きな作品。

グザヴィエ・ドラン最新作

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今日は『トム・アット・ザ・ファーム』を観た。
『わたしはロランス』のグザヴィエ・ドランの監督・主演作品。ベネチアでは国際批評家連盟賞というのを、カンヌでは審査員特別賞なるものを受賞している。若いからか、「賞はなにかやりたいが大きいのやるのは悔しい」と思われてんじゃないかと訝しく毎度思う。
私はこのひとは素晴らしいと力説してきたし、ゲイだろうがどこか難ある性格だろうが、これからも応援する。
今回の作品はサスペンス調の不思議なものだった。カナダの劇作家ミシェル=マルク・ブシャールの同名戯曲の映画化だそう。確かに他のドラン作品とは少し違う。田舎の農場というシチュエーションからして、今までの作風と異なる。とうもろこし畑とか牛の世話とか、イメージが全く掛け離れたものだ。だからこそ新しく描きたい世界なのかなと思った。
共通するものといえば、男同士のセクシャルで暴力的な感じ。こういうの、きっと彼のツボなんだと私は解釈している。まあ、アーティストはヤバい深層心理を隠しながら生きて、作品になると爆発するものだから。気持ち悪くてもそうなのだから仕方ない。
内容的には不満のあるひとが結構いそうだ。説明や解説もなく終わってしまうから。
それもいいんじゃないか。わからせてくれなくたって。伝わるものはたくさんある。そんな作品でした(山田ルキ子)

サンローラン生き写し

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『マルティニークからの祈り』は良質な社会派ドラマだった。韓国大使館のダメっぷりをここまで自国の人間が語って大丈夫?と心配になってしまうくらいシビアな視点がいい。お上の方々に従っていたら殺されてしまう、我々が立ち上がろう、と動いた民間のメディアとインターネットの力で救出できた実話。女性監督らしいなと思った。
そして今日観たのは、『イヴ・サンローラン』。伝記ものだけどイヴ・サンローラン財団が初公認したフィクション作品。ファッションの話というよりサンローラン本人の人生を追った内容。特にゲイで精神を病んでいた様子が凄い。注目のピエール・ニネはサンローランにそっくりで、繊細な美しいモデルのよう。でもかなり骨太な演劇畑出身らしい。当時のオートクチュール(博物館クラス)をそのまま使用しているところも見所。

麻薬密輸犯にされた主婦

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『イントゥ・ザ・ストーム』の迫力はハンパなかった。竜巻のリアルさがすごい。3Dでもないのにめちゃくちゃ立体的で恐ろしかった。
場を変えて今から観るのは、『マルティニークからの祈り』という韓国映画。カンヌで主演女優賞を受賞したこともあるチョン・ドヨン主演のドラマ。麻薬密輸の罪で異国に拘束された主婦の実話を元にしている。作ったのは俳優出身の女性監督パン・ウンジン。通常の韓国映画とは違うような期待感が高まる。楽しみ。

新・体感型ムービー

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『マイ・ブラザー 哀しみの銃弾』は70年代ブルックリンの空気が心地好いクライ厶サスペンスだった。単純なアメリカものとは違う空気感。どこかがヨーロッパな映像だった。オチも粋でお洒落。もう一度観たい作品。
そして今から観るのは、『イントゥ・ザ・ストーム』。史上最大の竜巻の目の中を体感できるドラマだという。楽しみ。