広告の力が歴史を変える瞬間

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今日観たもの、チリの大ヒット映画『NO』。凄いおもしろかったなぁ。
ん?これはドキュメンタリー?みたいな質感のフィクション。でも実際の出来事をモデルにしている。1988年、独裁政権下のチリが舞台。ピノチェト将軍率いる軍事独裁政権に対する国際批判の高まりの中で、信任延長の是非を問う国民投票が行われる。ピノチェト支持派「YES」と反対派「NO」の決戦なんだけど、この作品で焦点を当てているのはテレビのコマーシャル。支持派と反対派は一日15分のPR放送できることになっている。
政権が対外的に平等をアピールする為の出来レースであるのはミエミエだが、ひとりの若き広告マンが奮闘し、かっこよくポップで民意を掴むコマーシャルを作り、国の在り方を動かしてしまう。キツい歴史の体験者に許し難いと批判されたり、体制に脅され家族も危険に晒されながら、楽しいCMを作り続ける姿に感動した。
確かに、辛い不幸な事実だけを訴えてもひとの心は掴めない。素敵なモノだったり、笑顔だったり、笑いや踊り出したくなるようなリズムを、入れ込む技は必要なんだなと納得した。
これはオススメ度高いです。(山田ルキ子)