ひとりの炭坑夫の記憶が世界のアートになる。

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次に観たもの、『坑道の記憶』という日本のドキュメンタリー作品。
日本一の石炭生産地、福岡県・筑豊に生まれた山本作兵衛さんは7歳から炭坑に入ったそう。貧困の中での厳しい仕事、その記憶を晩年になってから絵に描き始めた。決して上手い訳ではないが自身の見てきたもの、体験した感情が乗った作品は素晴らしい。
本人としたら日記的なもので、地元の図書館に寄贈する程度のものだったのだが、なんとユネスコの世界記憶遺産に登録されてしまった。これは日本初のことだ。ちなみに他に登録されているものといえば「アンネの日記」や「ベートーベン交響曲第9番の自筆譜」など怱々たるもの。
炭坑が盛んだった頃の映画も観てきたが、なかなかリアルなことはわからない。なんか苦しそうだなって感じだった。
このドキュメンタリーは、より炭坑というものや、作兵衛さんの生きた時代、あまり知られてない日本の過去の1ページが少し理解できる。興味深い時間だった。