デッドマン・ダウン

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』はデヴィド・フィンチャー版よりオリジナルの方が好み。ニールス・アルデン・オプレヴ監督の方。 
垢抜けなさがとてもよかった。ノオミ・ラパスという素晴らしい俳優に出会えたことも大きい。
そしてまたそのコンビの作品がやってくる。今度はニールス・アルデン・オプレヴにとってハリウッドデビューでもある。『デッドマン・ダウン』、とてもよかった。暗黒感たっぷり。なにをやっても器用なコリン・ファレルや、フランス人のおばさん役ならこの人って感じのイザベル・ユペールまで揃えた国際色豊かなキャスティング。コリン・ファレルはアイルランド出身だし、ノオミ・ラパスはスウェーデン、ドミニク・クーパーはイギリス、監督はデンマーク。テレンス・ハワードが出てきてやっとアメリカらしい感じがしてくる。
孤独なひとたちの復讐劇。そんな印象を持った。『ドラゴン・タトゥー』と同質の匂いがある。誰にも漏らさず長年隠してる怒りのような。ノオミ・ラパスは可愛らしかった。華やかな服を着て、どこか楽しそう。たとえ顔半分に無惨な傷跡があっても。
心の救済をするセカンドチャンスはきっと誰にでも用意されているんだ。不思議な浄化作用を持つ狂気のサスペンスだった。
10月26日からロードショー。