ソウルガールズ

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実在したアボリジニ初の女性ボーカルグループ「サファイアズ」を描いた作品。
差別の残るオーストラリアでアボリジニア居住区に暮らすヒロイン三姉妹は、カントリー歌手を夢見て地元のコンテストに出場。明らかに彼女らの実力はピカ一なのに、居住区暮らしということで落選してしまう。唯一味方になったのがその時に司会者をしていた男。間抜けな男だがソウルミュージックへの傾倒っぷりは凄まじく、彼女らがカントリーは辞めてソウルをやるならマネージャーをやると宣言。
その後の彼女たちの活躍ぶりが気持ちいい。しかし時代は1960年代後半。ベトナムでのアメリカ軍兵士の慰問巡業が仕事になり、悲惨な戦争も垣間見ることになる。
この作品は『ドリームガールズ』とか『Ray』とか所謂大成したアーティストの物語とは少し違う。ある一時に脚光を浴びた女性たちの生き生きとした輝きだろう。居住区の者は人間よりも動物に近いと差別されていた酷い時代に、自らの正しい価値を見い出し、同じ境遇の人々に希望を与え、諸外国にも示すことができた。そのことは世界的なスーパースターになるよりもきっと意味のあることだろう。
彼女たちは今は、アボリジニ社会の為に貢献する機関で働いているそうだ。1月11日よりロードショー。