大統領の料理人

周りからお腹の鳴る音がたくさん聞こえてきた(笑)『大統領の料理人』は本当においしそうな映画。フランス官邸史上初めての女性料理人、真実の物語。
カトリーヌ・フロが演じる女性シェフは片田舎でレストランを営んでいる。おばあちゃんに教わったような郷土料理が得意で素材にはこだわっている。そんな彼女がいきなりミッテラン大統領のプライベートシェフに抜擢される。
官邸は儀礼と規律の世界。会うひと全てに挨拶をして、中庭は横切ってはいけない、など事細かな決まりごとに支配されている。また男性優位の厨房では女性というだけで馬鹿にされ、実力を発揮すれば嫉妬から嫌がらせをされる。
それでも彼女は負けはしない。料理には自信があるし、大統領を満足させたい。「技巧的ではないシンプルなものを作ってください」と言う大統領とは、料理を通じて心が通い合っていた。
主治医の指示で脂肪や高カロリーなものに規制がつくようになる後半、夜遅く突然彼女の厨房にやってきた大統領。届いたばかりのトリュフの薄切りを全粒粉トースト(バターか粒マスタードが塗られていた)にたくさん乗せたものと赤ワインをおいしそうに楽しむ。「いじめられてるね。私もだよ」、「逆境だよ、逆境が強くさせる(正確には違う台詞かも)」と言う。頂点を極めた者同士が孤独をわかり合うような優しさに、胸が熱くなった。
彼女はその後、南極調査隊のシェフをしたりフォアグラ用ガチョウの飼育に敵した場所をニュージーランドまで見つけに行ったり、世界中でフランス料理の食材や普及に努める。
この素敵な作品は9月7日から公開。観賞されるときは、プログラムも購入されると楽しいです。彼女が大統領に作ったオリジナルレシピが載ってます。サーモンのファルシもサントノレも凄くおいしそう。シンプルな材料で、料理が得意じゃなくても作れそう。
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