黒いスーツを着た男

イケメンが、追い詰められ破滅して行く姿、なんてソソるのでしょう!
『黒いスーツを着た男』はフランス=モルドヴァから届いたフィルム・ノワール。貧乏な生まれの男が、成功を掴めそうになった矢先に起きたアクシデント。車のセールスマン主人公アルは会社の社長令嬢との婚約中だ。バチュラーパーティーで馬鹿騒ぎした深夜のパリでひとを轢いてしまう。友人に促されそのまま逃走。故意ではないし一瞬のことだった。これを目撃し救急車を呼ぶジュリエット、轢かれた不法滞在のモルドヴァ人の男の妻ヴィラ、この3人は全く違う世界に生きてきたのだが、事件を境に密接な関係になって行く。
アルは婚約者にも心を閉ざし、罪の重さに苛まれる。目撃者のジュリエットはお節介というか完全な善意で被害者一家を思いやる。被害者の妻ヴィラは生活も苦しく仕事が休めない。夫は不法労働者だ。アルが本当に悪い奴だったらそのまま終わっただろう。秘密を抱えるのは辛く、嘘を隠す為の嘘はエンドレスに続く地獄だ。
アル役のラファエル・ペルソナはアラン・ドロンの再来と言われる美形俳優で、これは当たり役。「イケメンですね」と広報担当の方に言ったら、「来日した彼はもっと素敵でした!動いてる方がいい」とおっしゃっていた。映画も動いてると思うけど~(笑)ともかく女性の心を掴むのは間違いないらしい。
ぴりぴりした緊張感いっぱいの本作、公開は8月31日から。
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