Barbara

luki オフィシャルブログ-130122_1824~01.jpg
邦題『東ベルリンから来た女』を観た。
ベルリンの壁崩壊の9年前。監視体制下の旧東ドイツ、西に脱出しようとしてる美しい女医さんの話。
社会主義の国の暮らしって、実はよくわからないとこが多い。『善き人のためのソナタ』を観たときも、そんな締め付けが激しい社会なんだと思った。普通に喋れないの?恋愛も自由にできないの?と不条理さに驚く。
はじめから民主主義の国に生まれた私のような者には想像しづらい。
みんなが幸せに生きられるように、平等に資産を分け合い仲良く暮らしましょう、って前提なんだろうけど。
今の北朝鮮の様子を見れば、そんなきれいなもんじゃないんだろうと察する。一部のひとの裕福を維持する為に、多くの市民が犠牲を払い、国際的な情報は与えられず言論の自由もない。恐ろしい。そんな国に生まれなくて本当に良かったと思う。
そんな国の末期が舞台の本作品。20年経ったからこそ言えること、という製作者の熱い思いが伝わってきた。
どんな状況でもひとは愛し合い、弱い者を助けようとする。美しいヒロインは表情が固く言葉も少ないし、感情も表さない。でも壁が崩壊される未来を予感させるような、善を体現している。
魂が震えるような作品だった。