火水木に観たもの

PhotoGrid_1458206794038.jpg
今週は明日もありますが、今のところ観たものはこちらです。

『DARK PLACES』はギリアン・フラン(『ゴーン・ガール』原作者)による衝撃の小説を映画したものです。28年前に起きた一家殺人事件の生き残りのヒロインと犯人として逮捕され刑に服している兄。ひょんなことから真実が発覚していく話です。『ゴーン・ガール』的なサスペンスではありつつ、胸が締め付けられるようなヒューマニズムに溢れた作品でした。そうなったのは主演がシャーリーズ・セロンであることと無関係ではなさそうです。彼女は幼少期、暴力的な父を母が撃ち殺す場面を目撃したという、悲しい記憶を抱えたひとです。この作品はそのトラウマと向き合うようなものであったのかもしれません。プロデューサーも兼任しています。

『カルテル・ランド』はメキシコの麻薬組織と闘うボランティア自警団の活躍を追ったドキュメンタリー作品です。リアルな映像が続き迫力ありました。麻薬を製造する作業工程はまるで『ブレイキング・バッド』。自警団の力で市民の安全が取り戻される過程は感動です。しかしそう甘いものでもなく、政治と金が介入し、分裂し新しい防衛軍ができたり複雑化していきます。イノセントに正義を目指すのは本当に難しいことだと思いました。

『葛城事件』は赤堀雅秋監督による、元は舞台作品だったものを映画化したもの。
無差別殺傷事件を起こした青年の背景を事細かに追う物語でした。三浦友和始め南果歩、新井浩文など演技派の俳優が素晴らしい人間ドラマを作り上げています。暗いテーマの重いものですが、病んだ心を生まざるを得ない人間社会や、閉塞感のある国民性を考えさせられました。

『ラザロ・エフェクト』はノリに乗っているオリヴィア・ワイルドがヒロインのホラー映画です。彼女は『ドクター・ハウス』の13番(サーティーンと研修時期の呼ばれ方をされる美人医師&レズ&ガン患者)の頃からファンです。その後いろいろな映画のメインキャストにもなっていつも注目しています。
でもこの作品は『パラノーマル・アクティビティ』のチームが作ってるのです。オリヴィア・ワイルドとどうしても結び付かないので、どうなるのだろうと思って観ていました。前半は彼女らしい知的セクシーな物語でしたが、やはり後半は突如として『パラノーマル・アクティビティ』な流れになって笑ってしまいました。ホラーなのにすみません。いろんな意味で面白い作品でした。

『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』はミック・ジャガーが発起人だというドキュメンタリーです。音楽ものはほとんどが外す、という私なりの持論(その音楽以上のものを描けるわけはなし)があるのですが、これはよかったです。なにしろJBの貴重ライブ映像が多く、身近なバンドメンバーや背景を知る人物のインタビューで構成されていて、見所が多いです。1966年の公民権集会に登場する場面など、緊張が走るリアル映像もありました。
JBを知らないひとでも彼のアーティストとしての偉大さと人間らしい矮小さが見えるような、非常によくできたものでした。

また気になる作品を小まめに観ていきます。