月火水に観たもの

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こんにちは。
相変わらず映画オタクです。

今週前半戦はこんなラインナップです。
見どころたくさんです!

まず『人生は小説よりも奇なり』。同性婚にまつわる悲喜劇で、切ない気分になりました。自身もゲイのアイラ・サックス監督作品です。

『ゾンビスクール』はイライジャ・ウッド主演作。B級ホラーを期待してましたが、そこまでは振り切ってないメジャー感。意外にちゃんとしてます。チキンナゲットがゾンビ菌というのも、いまどきな感じ。

『ルーム』はヤバいです!
私がもしアカデミー賞の審査員だったら、これに作品賞と主演女優賞をあげたいです。恐ろしいほど素晴らしい出来です。
ジュデイ・フォスターの『パニック・ルーム』かな?って感じの始まりで、母と幼い息子が狭い部屋にいる描写が続きます。SFなのかサスペンスなのか想像もつかなかったのですが、後半明らかになる展開にびっくり。
ヒューマニズムをしっかり押さえてる点がかなり上級。ブリー・ラーソンがすっぴんで泣ける芝居を見せてくれます。監督は『FRANK-フランク-』のレニー・アブラハムソンです。

『緑はよみがえる』はイタリアの巨匠エルマンノ・オルミ監督の新作。19歳で第一次世界大戦に従軍した父が語った話を基に作ったそう。
雪の中の描写が多く、本当に大変な経験だったのだろうなと思いました。
薄れ行く記憶を後世に遺そうという意味がわかります。

『オマールの壁』はパレスチナ自治区で生きる若者たちの苛酷な現実を描いた作品。分離壁を日常的に乗り越え、その度に銃撃される生活って・・・。日本人にはなかなか理解しづらい状況ですが、主人公の青年の苦難はよくわかります。サスペンスの作りになっているのが素晴らしい。

『デイバイナー 戦禍に光を求めて』はラッセル・クロウが監督・主演した作品。実話を基にしています。第一次世界大戦中に13万人の戦死者を出したトルコ・ガリポリの戦いから4年、生死のわからない息子たちを探しにいく父親の話です。しかしラッセル・クロウが監督するとは意外!悲惨な描写のみならず、オーストラリアとトルコの迫力ある情景や軽いラブストーリーになってるところなどよかったです。さすがエンターテイメント俳優、発想が観客目線です。

そして『山河ノスタルジア』はジャ・ジャンクーの新作。前作『罪の手ざわり』の衝撃が忘れられません。でもこの新作は更に素晴らしいです。
前作が人間の黒くて毒々しい悪だとすれば、新作は切ないどうしようも無さって感じ。主人公たちの長い時間を描きます。しかし誰にも感情移入することを許さないような厳しさはジャ・ジャンクー節です。愚かさも愛おしくなるような作品でした。

2014年が第一次世界大戦の開戦から100年ということで、関連作品がたくさんやってきそうです。
これからもジャンルにこだわらずにチェックしていきます。