ちょっと気になる3作品

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おはようございます。

最近、気になった作品を少しご紹介します。

ひとつは『バードピープル』というフランス映画です。
なんともいえない不思議な感覚の作品で、ヒューマン系ファンタジーというような印象です。前半はアメリカ人のシステムエンジニアが出張中に、いきなり辞職や離婚を思い立つ話です。
後半はホテルの客室係の女の子が鳥になっちゃう話です。
とりとめのない物語ではありますが、どこかメランコリックな虚無感が漂います。監督のパスカル・フェランは村上春樹的なものを撮りたかったと公言しています。なるほどという感じでした。

次にご紹介したいのは『午後3時の女たち』。
私、個人的にはとても好きな作品です。
『なんちゃって家族』という、これも大好きなコメディに出ていたキャスリン・ハーンが主演で、圧倒的な演技力を見せつけています。
物語はアラフォー女性の性と苦悩といいますか、恵まれた主婦の暴走が巻き起こす話です。
ストリッパーや売春など扱ってますが、エロさはありません。むしろ不穏なものを引き寄せてしまう、痛々しい女性性が際立ちます。タランティーノも絶賛した作品だそうです。

あとひとつは『1001グラム ハカリしれない愛のこと』というノルウェー作品です。
これも不思議なものです。
「人生で最大の悩みは背負うものがないことだ」
という台詞が出てきます。
ヒロインのマリエはノルウェー国立計量研究所に勤める科学者で、言わば計測のエキスパート。国際キログラム原器という物々しい物体を持って、パリ郊外で行われる国際セミナーに参加します。
それだけでかなりオタクな話です。
映像デザインは構図や色にも凝ったアートなもの、そしてこのマリエさん、ずっと無表情で変な空気を醸し出してます。
計測のプロフェッショナルが、幸福の基準を探す為に旅するのようなお話でした。

こんな3作品はいかがでしょうか。
私は昔からこの手の専門だったなぁ、としみじみしました。
自費で毎日のように映画館に通っていた頃、地味でもキラッと光る小作品を見つけると嬉しくなりました。
エンターテイメント作品の面白さはやはり凄いですが、ひとりでこっそり楽しむような作品も、何年も後まで心に残ることが多いです。