死への準備は幸せのとき

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二本目に観たのは、『マルタのことづけ』というメキシコ映画。
ルコントも認めたというクラウディア・サント=リュス監督のデビュー作品。彼女自らが出会ったシングルマザーのマルタと、その子供たちの話。マルタはHIVポジティブの末期患者で四人の子供がいる。個性的な子供たちと哀しみを分かち合えたのは、クラウディアもまた孤独感でいっぱいだったからだろう。
家族でもなく友人とも何処か違う、不思議な距離感で一家と過ごした夏。生命を慈しむ愛情に満ちた時間は、死を迎えたとしても永遠に心に残る。美しい作品だった。