女っ気なし

あまりいいタイトルとは思えないけど、いい感じのフランスの作品。ホン・サンスとかパトリス・ルコントとか好きなひとにはたまらない雰囲気だと思う。
2009年の『遭難者』という25分の作品と2011年の『女っ気なし』が一緒に公開になる。撮ったのはギョーム・ブラックというひと。
フランス北部のノルマンディ地方の小さな海辺の町オルトが舞台。ヴァンサンという太めの男性が主役で、旅行者とのほのぼのとした触れ合いや、閑散期の何も起こらない寒々しさも描かれる。お菓子好きなヴァンサンはイチゴにまで砂糖とクリームを乗せて食べ、女の子に白い目で見られたりする。
淡々としたコメディーとも思えた。でも「土曜の夜は自殺したくなる」という台詞もあったように、どこにも行けない鬱屈したものも感じる。ロックスターのポスターを壁に貼ってるヴァンサンの理想と現実を、遠くから見てるような感覚になった。
頑張っても頑張らなくても毎日はただ過ぎて行く。
ある意味、フランス映画らしいフランス映画だった。



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