図書館

「貸し出し中の本に予約が入りましたので早めに返却してください」と図書館からの留守電が残ってた。
返却日から数日経っていた。通常はひとつきくらい超えない限りは電話もかかってこない。それをいいことに返却日をちゃんと守ることが少ない。延滞料が大きいレンタルビデオ屋ならありえないのだけど。
私は常に図書館から何か借りてる。かつて活字中毒だったときの名残り。今はインターネットでたくさんの情報が得られるから、本はそれほど必要でもないのだけど。

それはそうと借りてた本の中の何に予約が入ってたのか気になる。新刊もベストセラーもなかったと思うが。カウンターで「遅れてすみません。予約が入ったそうで」と言ったら「はい、予約されてます」と一冊の本に紙を挟んでいた。乾ルカさんの本だった。『てふてふ荘へようこそ』だった。ボロボロアパートの幽霊話の本だった。乾ルカさんの作品は初めて読んだけど軽い展開が読みやすく疲れない。文章は上手い。面白かった。
よく、引っ掛かりのある言葉や凝った言い回しを使おうとして失敗した作品を読むことがある。語彙のインパクトは大事だけど読み進めづらいというマイナス点もある。渡辺淳一さんの作品など、内容は全く好きになれないが文章の上手さだけで思わず最後まで読んでしまう。語彙の引っ掛かりやカッコつけはどこにもなくて、頭に直接、映像化されるような凄さがある。若いひとの凝りに凝ったケータイ小説に疲れた頃、渡辺淳一さんを読んだら、その巧みさにびっくりした。
そんな感じの印象を乾ルカさんにも抱いた。プロ作家って感じだなと。

今日もたくさん借りた。食わず嫌い系のものを入り混ぜ。図書館はショーケースのようなものだと思う。本当に好きになったら新刊は買うので。
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