ワン・ビン監督が世界に向けて鋭く放出した『三姉妹~雲南の子』が5月25日に公開になる。
Android携帯からの投稿
153分。やはりワン・ビン作品は長い。しかし、その恐るべき迫力はフィクションでは出せない何かだ。
格差が広がる中国で最貧困といっても間違いではないだろう、雲南地方の村で暮らす三姉妹の姿を追っている。長女インインは10歳、次女チェンチェンは6歳、三女フェンフェンは4歳。彼女たちは両親も不在、三人だけで粗末な小屋に住んでいる。近くに祖父や叔母さん一家がいるとはいえ、生活は完全に自立している。
目を疑うような貧困だ。ぼろ切れのような布団に包まり眠り、焼いたジャガ芋をむしゃむしゃ食べる。
途中、出稼ぎに行っていた若い父親が帰ってきて次女と三女を連れて出て行った。インインはたったひとりで暗い部屋に残る。
そんなこと日本じゃありえないだろう。教育がどうののレベルではない。
だが人間の底力というか、生きるエネルギーというか、凄まじいものがある。泣きもしない、笑いもしない、ただ生きる。私は強い感動と尊敬を覚えた。
国の発展に置ける歪みであるとか、やはり後進国なんだとか、簡単に言ってはいけない。歴史はこういう底辺の多くの犠牲が作っている。そう感じずにはいられなかった。