17歳のエンディングノート

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死ぬ前にしたいことをするという、終活が流行りらしい。いきなり死んで悔いが残るよりは確かに良さそうだ。
『17歳のエンディングノート』もそんな題材を扱ってるのだけど、死ぬにしてはずいぶん若い。ダコタ・ファニングが演じるテッサは白血病で、余命を告げられるほど悪化している。キツいストーリーだが、冒頭のアニメーションはポップで可愛らしい。ボーイフレンドの優しいプレゼントや、彼女の部屋の水色やオレンジ色のインテリアが、闇とは程遠い明るさを演出する。
死に行くことのキツさよりヘビーなのは、家族の嘆き様だ。仕事を辞めて娘の代替医療を探そうとネットにはまり続ける父親、出血する娘の姿に怯えおろおろするだけの母親、「死んだら化けて出る?」と聞く弟。そんなものに嫌気を持ちつつ、逆に冷静になって行くテッサ。ふとひとりになったとき、やっと泣ける彼女の姿は美しく強く、しかし孤独だった。
『思秋期』で監督をしたパディ・コンシダインが父親役をやっていた。あの作品もかなり良かった。人間の愚かな弱さを、よく知っているひとなのだなと思った。