ジャンゴ 繋がれざる者

luki オフィシャルブログ-130306_1544~01.jpg
超久しぶりにタランティーノを観る。
レザボアやパルプフィクションに興奮したのは遥か昔。しかし今もタランティーノはタランティーノだったらしい。
B級なインディペンデントの匂い、偉大な作品へのオマージュ、芸術ではなく生き生きとした娯楽映画へのこだわり、それがタランティーノに対する私のイメージ。
崩れたのは、キルビルから。それまでの駄作と言われてるものも好きだった。だって馬鹿馬鹿しくて最高じゃないかと思ってた。キルビルは全く駄目に感じた。作品そのもの、というより私たち世間の受け取り方が変わってしまって、駄目になった気がした。
上映会場には老若男女が集まり、ハリウッドの大御所様の大作様が来てくださったと皆がありがたがった。
今でも覚えてる。キルビル上映前のトイレでは化粧する女子高生が占拠していた。製作側も意図してないだろう大して面白くないシーンで、脅迫されたかのように笑うひとたち。なんで私たちはこんなに恥ずかしいんだろうと思った。最悪だった。
今日観たタランティーノ作品は正しくタランティーノだった。観客としても正しく成長できた気がした。
偉そうですみません。
『ジャンゴ』は西部劇の形を模している。テンポのよい展開が爽快だ。一応、アメリカの過去の過ちを反省するかのような顔をしているが、娯楽として凄い。
ジェイミー・フォックスはレイ・チャールズやってるときより、ドリームガールズ出てるときより素敵だった。年老いたサミュエル・L・ジャクソンは更に悪の迫力を増していた。
お約束のように、どーでもいい役で出てくるタランティーノはデブだった。
アカデミー賞で脚本賞を受賞したらしい。面白いがそれはよくわからない。B級である価値をちゃんと愛そうよ、と思ってしまった。