コックファイター

luki オフィシャルブログ-130205_0929~01.jpg
『断絶』のモンテ・ヘルマンが監督、1974年のもの。
最高の駄作、こういうの大好物。闘鶏に燃えるニワトリトレーナーの男の話なんだけど、非常に馬鹿っぽくて良かった。
闘鶏ってどんなものか、よくわからない。タイのキックボクシングみたいなのや、金魚が闘うやつみたいなものの一種?ってくらいの認知度だ。
この『コックファイター』は、ドキュメンタリーの如く闘鶏の様子を綿密に見せてくれる。見たあとは私でも鶏トレーナーになれそうな気分になった。
二羽のニワトリをどちらか死ぬまで闘わせる。周りはお金を賭けたひとたちが取り囲み「殺せ~!、やれ~!」と叫んでいる。ニワトリは脚に小さなナイフを装着される。グサっと刺したらトレーナーが離し、また闘わせる。白い羽毛が赤く染まってくる。首筋をくちばしで食いちぎったり、羽をむしり取る様子は悪趣味なホラーのようだ。
主人公の男にはずっと恋している綺麗な女の子がいて、「俺の生き様を見に来てくれ」って会場に誘う。彼は大活躍で、自慢の鶏は死闘を見せて勝つ。しかし狙ってる女の子は「もっと早く見るべきだったわ。あなたがこんなひとだったなんて」怒りながら去って行く。
制作のロジャー・コーマンの言葉がいい。
「制作時私は、誰も考えたことのない<闘鶏の映画化>という、全く新しい事を成し遂げようとしている高揚感に包まれた。そして公開後、何故それまで闘鶏映画が無かったのかか解った。だれも闘鶏の映画など観たくなかったのだ。一体何故こんな映画を公開するんだ?!」
最高だ。