the Future

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ミランダ・ジュライ監督、脚本、主演の『ザ・フューチャー』を観る。
人間の心の成長物語って、音楽でも文学でも腐るほど描かれるテーマだ。私は、そういうものに興味も関心もない。
少年少女っぽさを売りにしてるだけの安っぽさにお金を払いたいと思わない。モラトリアムはそういうのに価値を置くひと同士で勝手にやってくれと思う。
『ザ・フューチャー』はまさにそういうテーマを扱っている。なのに嫌な感じがしないのは何故だろう。
ミランダ・ジュライの存在によるものが大きい。彼女はとても不思議なひとだ。変なダンス踊るし、美人のような違うような、変わったアート作品も作り、本も書き、キツくもなく優しくもなく、近い言葉に当てはめるなら、めちゃくちゃリアルなひとだ。そして天才だ。
『ザ・フューチャー』に出てくる登場人物から背景や音や映像、すべてがミランダ・ジュライそのものに見えてくる。自作自演だから当然かとも思う。でも誰にも似ていない稀有な存在に引き込まれる。
生きて悩んで欲望も認め、試行錯誤したあかつきに、第一希望ではなかった未来を進むだろう自分に気付く。
その様子がとてもリアルで素敵だった。
そういえば先日、知人に「ビーチ・ハウスに似た曲を使う映画があるんです。ビーチ・ハウスみたいなオールディーズだけど」と喋った。この映画のこと。観たら、ビーチ・ハウスっぽいやつじゃなくて本物のビーチ・ハウスだった。ドリーミーな感じが凄くよく合っていた。
こういう世界にぴったりなんだなと思った。