バリエラ

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1966年、イエジー・スコリモフスキの『バリエラ』。ロマンティックという言葉がとても合うような作品だった。
白けた戦後世代の疎外感。日本人がポーランドに惹かれるのは、そんな共通点があるのかも。
それにしても映像がお洒落でアーティスティック。学校をドロップアウトした主人公が雪の中、女の子と出会うシーンが良かった。夜の道端に座り焚き火で煙草に火を点けるんだけど、そのすぐ脇をヘッドライトをかざした車が何台も通る。すれすれで危ないんじゃないかと思う反面、暗闇の中に灯る光、車の流れる光、照らされるふたりの顔が美しく感動した。
大きなトランクに乗ってスキー台をジャンプするシーンも、レストランで掃除婦が歌い出すシーンも、イエジー・スコリモフスキ本人が献血啓蒙ポスターのモデルになってるのも面白かった。
私が生まれるずっと前の作品だけど、当時と同じような思いが伝わり、また時代を経てきたなりの別の感動も生む。アートというのは凄いものだと思う。