2016年4月8日 18:01
カテゴリー: 映画
ひとつもれてました。
『ホース・マネー』、これも観ました。
ペドロ・コスタ監督の最新作です。
前にポルトガルをテーマにしたオムニバス映画『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』のことをコラムで書いたのですが、その中の一遍『スウィート・エクソシスト』がペドロ・コスタ監督の作品でした。
その続編とも思われるようなものでした。
主人公も同じアフリカ移民のヴェントゥーラ。死に向かう際に見る走馬灯のような場面が、時系列とは関係なく現れては消えるような映像です。ペドロ・コスタ作品を心から理解するのは正直難しいのですが、ポルトガルに住む移民の苦難や哀しみは感じられます。
また、いまどきの映画とはまるで違う芸術的な世界観は貴重です。
興味ある方は是非ご体験ください。
2016年4月8日 14:42
カテゴリー: 日記
こんにちは。
今週はアレンジ作業が二日、作曲作業で一日、それぞれ長時間スタジオに入ってます。
それゆえ観た映画は本数少なめ。
しかし振り返りますと、ジャンル問わずに相変わらずの雑食なラインナップです。
『WE ARE YOUR FRIENDS』はザック・エフロン主演のEDM青春映画でした。全く期待せずに観たのですが、なんということか最後には感動して泣いてしまいました!若い監督に若いキャストが描くEDMの世界の話で、粗さは有りつつも音楽の本質をしっかり伝えていたように感じました。
デジタルな音にアレルギー反応するような方に是非観ていただきたい作品です。
『シマウマ』は漫画が原作の日本映画。裏社会のえげつない様子をえげつない演出でやり通すえげつない作品でした。脚本も演出も素晴らしいのですが、何故いまどきの日本映画ってこうなのか不思議です。ナチュラルな低体温の癒し系か、こういうヒートしっぱなしのリアルと対局のデフォルメなものか。もう少し中間があっても良いような気がします。そこまで客は鈍感じゃないんだけどなぁ、遠くから見る舞台じゃないんだからさ~と呟いてしまいました。すみません。
『デッドプール』はライアン・レイノルズが大活躍のヒーローもの。末期ガンからの復活は、顔がボコボコになりつつ強大なパワーを持つマスクマン。明るいトーンで楽しめる娯楽作品でした。
いろんな映画ネタがちりばめられていてわかるひとはまた笑えます。
私的にはライアン・レイノルズのモンスター顔があまり化け物には見えなかったです。あんな程度の容姿のひとは普通にいるような。あまり酷くして感情移入できなくなる恐れからの配慮なのでしょが、マスク取ったって普通に見られるじゃん、と思ってしまいました。まあ、本作のテーマとは関係ないですが。
『ノック・ノック』はイーライ・ロスの新作です。彼の救いようのないホラーとは相性がイマイチなのですが、本作はキアノ・リーブスが主演ということで期待して出かけました。
しかし、やはりイーライ・ロス節でした。エロ姉さん二人に翻弄されボロボロにされるキアノさん。
作っている方々がノリノリで楽しくやっている様子が感じられてよかったです。
露悪趣味が爆裂してます。
彼の過去作品を眺め、少し離れた位置から観るのがちょうどいいような感じがしました。ストレートに観るとイラついたり不完全燃焼なものを受けとるかも。
「シークレット・アイズ」は豪華キャストでお送りするサスペンス。ニコール・キッドマンの変わらない美しさを堪能し、キウェル・イジョフォーの飛ぶ鳥を落とす勢いにワクワクし、そしてジュリア・ロバーツのあら、どうしちゃったの?その劣化ぶりは!となるような作品でした。
ジュリアの様子はラストまで観て納得。ある意味凄い役所魂です。原作では男性捜査官の役をジュリア自身が是非にと女性に置き換え演じたそうです。
ストーリー的には王道サスペンスに感じました。
『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』は2014年に亡くなったパコのドキュメンタリーです。長男さんが監督で撮ってます。私はフラメンコの踊りも歌も経験あって、興味深いものでした。
天才少年だった頃の話から世界のスーパーギタリストになり、生涯現役だった姿は素晴らしいです。超絶速弾きのシーンはやはり感動。カマロンやサビーカスとの逸話も面白いです。フラメンコやギターに興味のないひとが楽しめるかは不明ですが。
そして『或る終焉』。メキシコのミシェル・フランコの新作です。彼は『父の秘密』でカンヌのある視点グランプリ取ったひとです。ちょうどその年はグザヴィエ・ドランも『わたしはロランス』でいたのですね。でドラン派の私は『父の秘密』を観て、なんだよ~こんな絶望ものがグランプリかよ、と感じた記憶があります。なのであまり公平に評価していなかったかも、と新作を観て反省しました。
とても良い作品です、これ。相変わらず暗さが支配していますが、ティム・ロスという名優の力が物凄いマジックを引き起こしているようでした。
臨終へ向かう患者に寄り添う看護師の話です。シモ系のグロシーンがたくさん出てくるのはミシェル監督の好みだと思われます。しかしティム・ロスが関わると何故かとても清潔な涙を誘うものになる不思議。リアルを描くのにも、素人出せばいいというのではなく、ある種の技が必要なのだなと認識しました。
そんな今週の映画鑑賞でした。
来週はどんな感動と出会えるか楽しみです。