最近観たもの

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こんにちは。
本数は少ないですが、新作映画を幾つか観ました。

まず『君がくれたグッドライフ』は感動のドイツ映画でした。毎年自転車で旅をする仲間たち。今年の行き先を決める担当はある夫婦なのですが、ベルギーというちょっと地味めな場所を選びます。それには理由がありました。夫が難病で余命宣告をされていて尊厳死が合法なベルギーへ行き、実行する計画なのです。命と向き合う5日間の旅の様子がこの物語です。重いテーマでしたが、どう生きてどう死ぬか、美しい景色に希望が見えてくるような温かい作品でした。

『サウスポー』は注目度の高いジェイク・ギレンホール主演の作品。あの陰湿ヒーローの『ナイトクローラー』から一転、鍛え上げた肉体でチャンピオンボクサーになってました。ボクシング映画というと女性は引いてしまうかもしれませんが、これは面白いです!ヒューマニズムがちゃんとあり泣けました。しかし短期間であんな肉体改造ができるとは、尊敬です。

『あなた、その川を渡らないで』はアジアを中心に大ヒット中の韓国ドキュメンタリー作品。98歳の夫と89歳の妻の仲睦まじい生活が描かれます。質素な暮らしですが鮮やかな韓服をいつも着て、川で水をかけ合ったり、互いを褒め合って常にラブラブな様子に癒されます。
夫がついに天国へ召される日が近づいてきて、悲しい展開ですが愛の本質がまた見えてくるような感じがしました。

『疑惑のチャンピオン』は自転車レースで無敵のチャンピオンであったランス・アームストロングの衝撃の実話です。ベン・フォスターが主演です。なんの話かといえば、まあドーピングです。サプリとか漢方薬でも成分的なひっかかるものもあったりして、一概に悪質なものとはいえないと思いますが、スポーツ界では禁止薬物項目が日々更新されているようです。しかし、このランスさんのはかなり計画的に練られたドーピングで、医師の指導のもとチーム全体が実行していたもの。レースが終わって検査の直前に点滴して体液を薄めたり、あらかじめ採っておいた血液を戻したり、凄い綿密。彼自身は一度も引っ掛からなかったというのも凄いです。

『ヘイル,シーザー』はコーエン兄弟の新作。50年代のハリウッドが舞台のサスペンス・コメディです。安心の面白さでした。旧き良き時代へのオマージュが満載で、映画好きなひとなら各シーンがツボにはまりそうです。そうでないひとも純粋に笑える作品だと思います。

『素敵なサプライズ』はオランダのウェス・アンダーソンと呼び声の高いマイク・ファン・ディム監督の久々の作品。孤独な億万長者が「あの世行き」代理店で死ぬ契約を交わすコメディです。湿度が低くクールな演出がウェス・アンダーソンっぽいとも感じました。個人的には色合いのシックなとこや変な温度の台詞などが、とても気に入りました。注目したい監督です。

『好きにならずにいられない』はアイスランド作品。フランスのギヨーム・ブラック的なアンニュイで雰囲気良さげなものを想像してたのですが、やはり北欧映画。どこか薄暗くエッジの効いた傑作でした。デブでオタクな43歳の童貞男が主人公です。ラブリーなコメディではなく、偏見の中を生きる彼の覚悟をうまく描いています。

『夏美のホタル』は日本映画。いかにも現代の日本映画でした。キャラクター設定もお決まりな安心感。湿度たっぷり、人情たっぷり。どこかぶっきらぼうな若者が等身大とかなんとかの感じです。美しい田舎の景色がよかったです。

来週もいい作品と出会えますように。