舌にキノコが生えた 5


 一瞬怯むお役人さま。「舌どうしたの!」と驚きの声を上げる。あたしは「安全で感染もしないと医者のお墨付きだから大丈夫です」と言う。

 今日のお客さんも歴史に造詣が深いというか、虐げられた過去の民衆話に劣情が刺激されて、それが性癖化しちゃったひと。小学校の歴史の時間にはムラムラして困ったそうだ。結構このパターンは多い。

 この人と会うときは白装束を着る。大学病院の売店で買った手術用浴衣みたいなの。和風の汚いホテルを好む。こういうとこはおばちゃんがお茶や塩羊羹を持ってきて、あきらかに普通のカップルじゃないあたしたちをじろじろ見るから面倒臭い。
 それで白装束姿のあたしをお客さんはマリアと呼ぶ。隠れキリシタンの娘だそうで、教会に熱心に通うようなキャラクターになっている。男は踏み絵を出してきて言う「一瞬踏めばいいのだ。お前の信仰が汚されるわけではないだろう。最後の慈悲だぞ!」と。
 ああそうですか、と踏んでしまいそうになるがそれはいけない。「お役人さま~、ご勘弁を!マリアはイエズスさまを裏切れないのです!」「おぬし、江戸幕府に盾突くつもりか!おなごの分際で。それならば覚悟の上であろうな」と、あたしの髪を握り引きずり、股間の前へあたしの顔面を持っていく。
 いつものパターンだ。それで口を開けたら↑のシーンになった。「舌どうしたの!大丈夫?」と本気で心配しているみたい。「全然大丈夫なの。続けてください」
 役人さまは戸惑いながらもあたしの髪を握り頭を抑え口内へ参上する。心なしか半分萎えているような。でも2、3分で徐々に高まってきて、ぎりぎりになる頃外された。
 おもちゃの短刀を渡される。刃を押すと引っ込むやつ。「自決しろ」と言う。「はい」と応え白装束の前をはだき、腹に刺した真似をする。ちょっと簡単にやり過ぎたかもしれない。「ううう・・・イエズスさま~お側へまいります~」と苦しんでる様子を見せると、お客さんは目をぎらぎらさせている。「マリアはそのあと真っ二つにバッサリ斬られてしまうのである。」と何故かナレーション風な声音に変わり、お客さん的な最高潮に達したらしい。床にのたうちまわるあたしに精をぶちまけて終了。髪に付かなくてよかった。

 舌はまた若干キノコが生え始めている。手術後の抗生剤が効いてた頃は無くなってたけど、薬を止めたら復活したらしい。エノキタケの凄く小さい版。特に害はない。



※これは完全なるフィクションです。
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